法名と戒名の本当の違い
ご門徒さんから、ご葬儀の依頼を受けた時のお話し。ご家族の方から「戒名のことなんですけど…」とよく言われます。
その度、浄土真宗では「法名」と言うのですとお伝えします。これは、他の宗派との浄土真宗での呼び名が単に違うというだけではなく、その宗派における教えの違いによるものなのです。「法名」は主に亡くなった際に仏弟子となることを誓う際、授かる名前のことです(生前に得度を受けて仏弟子となっている方もいらっしゃいます)。浄土真宗では、そのままの私達を救ってくださるという願を立ててくださっている阿弥陀如来に向かい、有難いと手を合わせて南無阿弥陀仏と日々唱えさせていただいています。
「戒名は」、仏弟子として出家して厳しい戒律を守りながら修行していくための名前なのです。人々から非難を受ける行いや悪事を働く行いを禁じており、戒律を守らなければ地獄に落ちると教えている厳しい規範です。亡くなってからも、修行をしていかなければならないのは大変そうですね。浄土真宗は、そういう意味でも人の気持ちに寄り添った優しい教えだなぁと常々思うところです。
名古屋市熱田区 浄土真宗白毫寺 僧侶 釋尼慶喜